点评:桟橋(さんばし)は海底に杭を打ち込み、その上にプラットフォームを設けた構造物です。以前の「大桟橋」はこの構造でしたが、現在の「大さん橋」は2002(平成14)年の工事完成で、海底を埋め立てて造成された埠頭(ふとう)になりました。名称も「大桟橋」から「大さん橋」に変更されています。
1859(安政6)年、幕府は横浜港を開港するにあたって、来航する外国船のために現在の山下公園があるあたりに、東波止場・西波止場の2つの突堤(とってい)を造りました。1866(慶応2)年に起こった豚屋火事の後、西波止場の根元から防波堤を兼ね屈曲した突堤「象の鼻」が造られましたが、これらはいずれも水深が浅くはしけ用で、船舶が接岸できる岸壁・桟橋ではありませんでした。その後、生糸を中心に輸出入が活発に行われるようになったことで接岸できる桟橋の建設が求められ、1894(明治27)年に造られたのが西波止場を改造した鉄製の桟橋「鉄桟橋」です。これが現在の「大さん橋」の始まりです。鉄製のスクリューパイル(螺旋杭)を海底にねじ込み、その上に桟橋が固定されたもので、パイルはスコットランドから輸入されたそうです。八幡製鉄所が創業するのは1901(明治34)年のことですから、まだ日本には構造用の鉄材を作る技術がなかった頃です。更に驚くのは、当時はまだ建設重機もありませんので、パイルはすべて人力で海底にねじ込んだのだとか。2002(平成14)年、それまで「大桟橋」を支え脚・土台の役割を果たしていたスクリューパイルが掘り出され、現在、大さん橋ふ頭ビルの横に展示されています。
現在の「大さん橋」は、イギリスの建築家の最優秀デザインが採用されたもので、海に数百メートルも突き出したランドスケープや海上公園を思わせるような建築。1階は駐車場、2階は出入国ロビー、屋上は広場・送迎デッキ・野外イベント広場になっていて、桟橋(正確には埠頭)とターミナルが一体となった構造が斬新です。船が着岸していない時でも24時間開放された駐車場・公園として機能していて、訪れる人の目的を限定しないデザイン。スーツケースや手荷物を持っての移動を前提とし、壁・柱・階段がないバリアフリーな設計で、出入国ロビーは大スパンの体育館のようです。梁・壁・柱を使わないため、天井部分は日本の折り紙をモチーフにしたジグザグの折板構造になっていて、軽量化のため屋上はウッドデッキと芝生で構成されています。一般的な建物の構成要素である屋根・梁・柱・壁・床といったものが明確な形では存在せず、初めて訪れた時は不思議な感じがしました。床と屋根が連続したシェル構造で内部空間が出来ていて、梁・柱・壁が伝統的な形では存在しなくても、構造的要素が欠けていることにはならないのでしょう。
クジラの背中を思わせる屋上デッキからは、ランドマークタワー・赤レンガ倉庫・コスモクロック・横浜三塔、晴れた日には富士山まで臨めます。何度訪れても飽きない大好きな場所です。建築好きの方は是非・・・
翻译:码头是一种由打入海床的桩和在其上建造的平台组成的结构。以前的“大栈桥码头”就是这种结构,但现在的“大栈桥码头”于2002年(平成14年)竣工,是在海底填海造地而建成的码头。名称也由“大栈桥”改为“大栈桥码头”。
1859年(安政6年),江户幕府开通横滨港时,在现在的山下公园一带修建了东码头和西码头两个码头,供外国船只停泊。 1866年(庆应2年)豚屋火灾后,在西码头底部修建了被称为“象之花”的弧形码头,兼作防波堤,但由于水浅,这些都是为驳船设计的,并不是可以停泊船只的码头或桥墩。随后,随着进出口贸易特别是生丝贸易的日益活跃,对可供船舶停靠的码头的需求也随之增加。 1894年(明治27年),改造西码头,建成了被称为“铁码头”的铁码头。这里就是现在的“大栈桥码头”的起点。桥墩采用铁螺旋桩固定,这些铁螺旋桩被拧入海床,是从苏格兰进口的。八幡制钢所成立于1901年(明治34年),当时日本尚不具备生产结构钢材的技术。更令人惊奇的是,当时没有重型施工机械,所以桩全靠手工拧入海底。 2002年,支撑大栈桥码头并作为其地基的螺旋桩被发掘出来,现在在大栈桥码头大楼旁边展出。
现在的大栈桥码头由英国建筑师设计,形似景观或海洋公园,伸入海中数百米。一楼为停车场,二楼为出入境大厅,楼顶为广场、上下客平台、户外活动广场。码头(准确来说是码头)与航站楼合为一体的结构很有创新。它作为一个停车场和公园,即使没有船只停靠,也 24 小时开放,其设计不限制游客的目的。入境大厅采用无障碍设计,没有墙壁、柱子或楼梯,方便携带行李箱和行李,看上去就像一个大跨度的体育馆。由于不使用梁、墙或柱子,天花板采用受日本折纸启发的锯齿形折板结构,为了减轻重量,屋顶采用木质甲板和草地。屋顶、梁、柱、墙、楼板等典型的建筑构件并不明显,初次参观时感觉很奇怪。室内空间采用楼板与屋顶连续的壳体结构,虽然没有传统的梁、柱、墙,但并不代表缺少结构元素。
从形似鲸鱼背部的屋顶甲板上,您可以看到地标塔、红砖仓库、宇宙钟、横滨三塔,晴朗的日子甚至可以看到富士山。这是我喜爱的地方,无论我去过多少次,我都不会厌倦。如果您喜欢建筑,那就来吧……